Autodesk University Japan 2015

B-4 土木・インフラ・建築・建設

一般社団法人 Civil ユーザ会 代表理事 藤澤 泰雄 氏

CIM に必要な環境
(人材育成・部品提供・教育カリキュラム)の提供

これからの CIM 導入・推進担当者、現場実務者必見!!!

一般社団法人 Civil ユーザ会
代表理事

藤澤 泰雄 氏

土木・インフラ・建築・建設に関するセッションが展開されたTrack Bの最後となる「B-4」セッションでは、一般社団法人Civilユーザ会 代表理事の藤澤泰雄氏が登壇し、CIMを取り巻く現状と、それを受け、CIMの普及・教育に取り組む「Civilユーザ会」の活動について紹介しました。

国土交通省が平成24年度からCIMの試行業務を始めてから3年、平成28年度から先導的導入事業ガイドラインも公表される予定であり、現在、国土交通省を中心とした「CIM制度検討会」や建設コンサルタンツ協会、日本建設業連合会など民間主体の「CIM技術検討会」、「産学官CIM」などの組織によりCIM環境の整備に向けてのさまざまな取り組みが行われています。藤澤氏は、これらのCIM関連組織をスライドで示しながら、「こうした取り組みの中、私たちCivilユーザ会は、CIM認定トレーナーの育成や3D部品データの公開など、これらの全体の裾野を支えるような活動を行っています」と話します。

藤澤氏が示した平成24年度からのCIM試行事業のまとめでは、過去3年間で一番多かった設計業務は「橋梁」、受注会社は3年間で「21社」であった現状が把握できました。また、CIM施工業務アンケート集計によると、CIM施工業務の事例は、「構造物干渉チェック・整合性チェック」(27件)、「発注者協議」(26件)、「3Dモデル(一般図)作成のみ」(20件)、「3D数量計算」(18件)が上位を占めています。また、日建連の「2015CIM施工事例集」によると、施工CIM活用の実績では、「施工計画」(24件)、「施工管理」(23件)、「発注者協議」(19件)の場面で多く活用されているのがわかりました。こうした結果を踏まえ、藤澤氏は、「今後は受注者が自社の業務・工事を効率的に執行するために行うCIM(受注者CIM)と、発注者が事業を効率的に執行し維持管理活用を目指すCIM(発注者CIM)のよりスムーズな連携が必要です。そのためには、発注者側のCIMマネージャの存在が重要になってくるでしょう」と語ります。

続いて、平成28年度に公表される「先導的導入事業ガイドライン」の概要について紹介。現在、トンネル・河川・鋼橋・ダム工事を対象に、産学官のCIMモデルの構築、ガイドラインの作成が行われていますが、ガイドライン策定に関わる藤澤氏は、
①作成ガイドライン-下流工程で利用できるモデルをどのように作成するか
②活用ガイドライン-作成されたモデルをどのように活用するか
の2つのガイドラインに加えて、「発注者ではどのように利用するかといった運用についての『運用ガイドライン』の必要性を感じている」と話します。また、「CIMトンネルモデル作成ガイドライン(案)」も紹介され、地理座標系・単位(m)や現況地形に用いるデータ(10mメッシュ標高)について、注意すべきポイントを解説。さらに、数量算出要領の改定により、体積計算にCADソフトの算出結果も適用となることから、藤澤氏はCivil 3Dでのマテリアル計算方法の注意点について、20mピッチと1mピッチの数値を例に紹介しました。

こうした土木分野における3次元モデル利活用の推進を行い、CIM施策の円滑な導入に寄与することを目的とするとするのが「CUG(Civilユーザ会)」です。その活動内容は、CIMスペシャリスト、CIMインストラクターおよびCIM上級ユーザの養成(教育)、CIM支援組織との連携、CUG認定トレーニングコースの実施などが主です。現在、東京・大阪・札幌・広島でトレーニングを開催している他、Webでのセミナー配信、3D部品の公開も行っています。「さらに現在、『Civil 3D 300の技』を改訂中で近々、公開できる予定です」と藤澤氏。2016年度のCIMハンズオン講習会の予定も発表され、来年度は札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の9会場で実施されます。藤澤氏は「今後は、CIMガイドラインに対応した講習に加え、個人の力量の確認できる『スキル確認チャート』の作成も検討中です」と言います。

最後に、Civil 3D で作成されたテーブルを「Civil Tabel Export」を使ってExcelに変換する方法と、「ScreenCast」を使った画面操作を動画にする方法も紹介されました。「大切なのは参加した皆さんが、『こんなことをやってほしい』など、どんどん声をあげていただくことです。教材やセミナーなどもユーザの手で創り上げていくこと。今後も皆さんと一緒に作っていきながら、新しいCIMの流れを作っていければと思います」藤澤氏のメッセージで、B-4セッションは盛況のうちに終了しました。

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