Autodesk University Japan 2015

H-3 カスタマイズ

オートデスク株式会社 オートデスク デベロッパー ネットワーク デベロッパー エバンジェリスト 伊勢崎 俊明

クラウドを使ったデザインデータ
活用とカスタマイズ実例

View & Data API の概要と利用実例をご紹介

オートデスク株式会社
オートデスク デベロッパー ネットワーク
デベロッパー エバンジェリスト

伊勢崎 俊明

Track Hでは、オートデスク製品のカスタマイズに関するセッションが展開されました。業界屈指のディープユーザや先端技術を生み出す若手技術者らが多く集う中、「H-3」セッションでは、再デザインされたクラウドプラットフォーム「AUTODESK A360」の紹介と、「View & Data API」の概要と実例を紹介。昨年、パイロットプロジェクトとして紹介された「View & Data API」ついては、より多くの事例が提示され、会場内の注目が集まりました。
昨年に引き続き、スピーカーとして登壇した伊勢崎は、「このセッションでは、View & Data API の概要だけでなく、誰でもすぐにお試しいただける View & Data API を使った Online Viewer や、Web やクラウドの世界で起こっているリッチなデザインコンテンツ配信について、事例をご紹介します。開発知識をお持ちでなくても、クラウドと Web の可能性を把握いただけるセッションです。BIMやCIM、デジタルプロトタイプに沿った3Dモデルだけでなく、2D図面の活用に役立つヒントをつかんでください」と語りかけました。

まず、伊勢崎は新しい「AUTODESK A360」の概要を紹介。従来、プロジェクトベース管理の「AUTODESK A360」と、フォルダベース管理の「AUTODESK A360 DRIVE」を提供していましたが、「全世界のユーザ フィードバックから、『実はプロジェクトベースで管理するよりも、一般的にはファイルベースで管理する方が操作しやすい』という結論に達しました」と伊勢崎は話します。AUTODESK A360とAUTODESK A360 DRIVEの融合版といえる、新デザインのA360は、プロジェクト管理の概念はそのままに、ファイル単位での操作が容易になっています。同時に、A360のユーザ インタフェースも日本語されているので、2Dや3Dの図面をWebブラウザで簡単に表示して内容を把握することができます。
中でも伊勢崎がユニークな機能として上げるのが「ライブレビュー」機能です。
「単なる形状データの確認だけでなく、CADのデザインデータに格納されている属性情報などをすぐに検索することができます。また、メンバー同士で画面を共有することも可能で、リアルタイムにコミュニケーションしながら、デザインの詳細を決定していくことができます」。伊勢崎は、お試しビューワーサイトhttps://360.autodesk.com/viewerで実際にデモを行いながら、その操作性、検索性、また手軽な共有操作の方法などを紹介しました。

続いて、こうしたビューワー機能を「自社のシステムに組み込みたい!」という要望に応えるために、オートデスクがご用意する「View & Data API」を紹介。今日の流れを受け、オープンソース化を標榜する「View & Data API」は、A360をクラウドプラットフォームとして、自社のシステムと連携して様々なサービスを創出することが可能です。その特徴として、
①ゼロ クライアント(WebGL対応ブラウザがあればOK)
②HTML5実装(最新のWebテクノロジ)
③ストリーミング(大規模モデルの表示が高速)
④高品質表示(陰影、マテリアル等を高度に表現)
⑤対応ファイル形式(多様なファイル形式をサポート)
⑥豊富なCADのメタデータ(BIM/CIMデータも再利用可能)
といった点が挙げられます。
「これまで企業の多くは自社の製品を売るためにAPIを開発しましたが、現在は IoT に代表されるように、クラウドやインターネットを使って、モノと人々、モノとサービス、サービスとサービスをつなげる時代。つまり、Web で何かと何かをつなげるのが、APIの役割に変化しつつあります。我々が提供するView & Data APIを使えば、皆さんも既存のサービスや製品をつなげて、企業内や顧客に対して新しいサービスを創造することが出来ます。専用のビューワーアプリをインストールしなくても、Web ブラウザがあれば十分です」と伊勢崎は語ります。

さらに、オランダやアメリカ、インド、オーストラリア、中国、デンマーク、イギリスなどの各国でのView & Data APIの活用事例を紹介。例えば、オランダ・CAD&Company社では、建設業向けポータルサイトにView & Data APIを活用し、建築プロジェクトを共有できるコミュニティサイトを構築しています。アメリカのBRITEHUB社では、3D モデルを中心に、製造部門を持たない設計企業と製造業者の間を、オンラインで結びつけるマッチングサイトでView & Data APIを活用しています。その他にも空調や水量の流体解析の結果を View & Data API をベースに視覚化するシミュレーションサイトや、ReCap360とView & Data APIを使って水中パイプラインのメインテナンス計画に役立てるサービス、家具のレイアウトシミュレーションサイトなど、様々な事例がデモを交えながら紹介されました。また、オートデスクのサンプルでは、Revit で作成した BIM データを View & Data API を使って Web ブラウザに表示、ユーザ操作でモデルから抽出した属性情報を元に集計グラフを表示させたり、逆に、集計グラフ上の項目選択によって、該当する部材を3Dモデル上にハイライト表示させる「建築ダッシュボード」の利用例が紹介されました。伊勢崎は「設計作業が終了したCADのデザイン データは、その多くが再利用されずに保存されています。膨大な情報を持つCAD データを、そのまま眠らせておいてはBIMやCIMが目指すコンセプトやワークフローを阻害しかねません。こうした事例を見ると、やはり多いのはBIMやCIMのデータの再利用したメインテナンス作業への応用です。BIMやCIMの属性データをもっと有効活用したい、という方向性が見えてきます。」と語ります。また、現在のマテリアル表現よりもさらに美しい、将来リリース予定のView & Data APIのビューワー機能も紹介されました。
最後に伊勢崎は、「Web の世界では、画像やインラスだけでモノを表現する時代は終っています。ユーザ操作で直接見たい部分を表示し、必要な情報のみを抽出出来る View & Data API は、新しい時代の Web プラットフォームです。電子カタログやマーケティング活動への応用も含め、Web を使ったCAD データの2次的活用を検討してみてください。キーワードとなるのは、“何を見せるか”です。」とメッセージし、H-3セッションは終了しました。

  • *セッション参加者には、View & Data APIを使ったバーチャル リアリティ サンプルを体感するために、スマートフォン用バーチャル・リアリティビューワー「ハコスコ」が配布されました。
  • H_3セッションサムネイル画像1
  • H_3セッションサムネイル画像2
  • H_3セッションサムネイル画像3